露天風呂の温度は、今日も42℃。 熱くて、10分も入ってられない。 湯船から出ると、外気温は-1℃。 おっさんたちが、ベンチで火照った身体を冷ましてらぁ。 だけど5分も経てば、また湯船に入りたくなるほど凍えて、 ドボンと浸かれば、そこはまた42℃。 熱くて、10分も入ってられねーや。 露天風呂では、いつもこういう事が繰り返されている。 温かい湯を求めて来たけど、実はそこには誰もが10分も入ってられない。 火照りを取ろうとベンチに座るけど、5分も座ってられない。 求めて来たそれは、どちらも「長く」は居られないのだ。 だからと言って、 湯船の42度と、外気温を、ほどよくブレンドして、 26℃の「ちょうど良い部屋」を作ったとて、 誰がそこへ行きたいだろうか。 そもそも、ここに居る全員がその「ちょうど良い部屋」からやって来ているのだ。 幸せは、何℃だろうか。 楽しいことは、何℃だろうか。 待ち望んでるその出来事は、 何℃だろうか。 悲しみは、何℃だろうか。 苦しいことは、何℃だろうか。 嫌でたまらなかったその出来事は、 何℃だろうか。 誰も、26℃の部屋なんか求めちゃいないように、 誰も、悲しみと喜びがブレンドされて、 ちょうど良い(=何も起こらない場所)なんか求めちゃいない そして、誰もが、温泉に行きたいように。 誰もが、きっと地球に来たかったのだろう。 悲しいことは、えげつないほど悲しいし。 嬉しいことは、飛び跳ねるほど嬉しい。 寒いベンチから、ザブーンと浸かるから温泉はありがたいのだ。 苦しい出来事から、ザバーンと飛び込むから、喜びがありがたいのだ。 寒い露天で湯船に浸かり、「あぁ~あったかい♪」の快感を。 熱い湯船から出て、「あぁ、涼しい!!」の快感を。 段差を、僕らは求めている。段差を、僕らは楽しんでる。 誰もが、「温泉」を求めてここに来たはずなのに、 誰一人、10分も浸かって無い、 そんな不思議な、露天風呂より。 レポートは、さとうみつろうでした。 (文庫)神さまとのおしゃべり (サンマーク文庫) Amazon ↓北海道に来てます。寒いです。だから、温かさを求めて温泉に入りました。 露天風呂の表示は、いつも42℃。これ全国どこでも。 ざぱーんと浸かり。 おや、おかしいな。 「これ」を求めて来たはずなのに、10分も入ってられない。 で、露天のベンチに座る訳ですよ。 気温は-1℃だけど、身体がポカポカだから平気で座れる。 でも、5分もしてくると、冷えて来る。 そして、湯船にざぱーん。 これを、3セット繰り返して。 貧乏性だから、「これ、おかしくね?」と気づくわけですよ。 おれ様は、お金を払って、湯船を求めて来たのに、 10分しか入ってられないって、詐欺じゃん!!! って。 そして、考えるわけですよ。 貧乏性だから(笑)。 長く、居られる方法はねーか続きをみる
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