ーとなると、私たちの「拝金主義」が行き過ぎたこの社会が、悪かったのだろう。駅からホテルまでの送迎バス。乗客が乗る時にずり下がったマスクを見て運転手が、「バスに乗りたければ、鼻までマスクをして下さい。閉じられた空間で他のお客さまも居ます。」えらく上からの言い方だな・・・と思うも、「すみません」とマスクを上げてバスへ。するとエントランスへ到着した後も、わざわざ出口まで運転手がやって来て、「しつこいようですが、マスクは鼻まで覆ってください。」「え?いま、鼻までしてますよ。」「さっきの話しです。マスクをする際は、鼻まで覆ってください。」「だから、それは乗る前の話しでしょ?今はやってるのに、どうしてまた注意しに来たんですか?先生か何かですか?」口論になると思ったのかホテルのドアマンが、荷物を抱えながら、「お客さま、こちらへどうぞ。ご予約のお名前は?」ホテルの自動ドアが閉じ、バスの運転手が小さくなった後に。「うちの運転手が、失礼しました。どういう訳かマスクには厳しくて、いつもお客さんを注意するんです。前はそういうことはなかったんですが、大変申し訳ございませんでした。」その後チェックインの手続きを終え、エレベーターが同じになった男性が。「多いんですよ、コロナになってから。特に接客業で。」「何がですか?」「いわゆる、マスク警察です。」「それは聞いたことがありますが、接客業に多いとは?」「先程のようなホテルの送迎運転手。これまではずっとお客さんに「怒られる一方」だった。ホテルともなると、客はサービスを求めて来るので態度もデカくなる。そのうっぷんを晴らせる「理由」を手に入れたのでしょう。一気に客に噛みつくように、必要以上に注意する店員が増えてるのです。」5Fのドアが開き、その紳士は出て行った。大学の教授だろうか。本当かどうかは分からない、ただの仮説だろう。「客へのうっぷんが、コロナで噴出している」?となると。私たちの「拝金主義」が行き過ぎたこの社会が、悪かったのだろう。「客の方がエライ」「お金を払う側が神さま」「店の人はペコペコして然るべき」いったい何年間・・・、高度経済成長期から何十年間、そんな「いびつな」社会が許され続けたのだろうか。コロナになって、わずかに2年間。いいさ、そのくらい。長年ずっと耐え続けて来た資本主義のゆがみに。もっと反発しても良いくらいだ。コロナは、色んな人を苦しめている。一方で。コロナは、色続きをみる
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