らくらく指圧コースにしようか、 疲れフットバスコースにしようか、 オプションで足の温熱ボタンを入れようか、 腰はもっと高い位置を揉むように設定しようか。 隣の席のおじさんがコイン式マッサージチェアで、 コースを迷ってるうちに100円(10分)が切れた。 もちろん、おじさんもキレてた。 一度も揉まれずに、100円を消費したのだからそりゃキレるわな。 ひょっとするとこの人生も、 迷ってる間に終わっちゃうかもしれない。 何もせずに終わるよりは、 何でも良いから「やった」方がいいんだぜ、そこの若者よ! って、おじさんが言ってた気がした(気がしただけ)。 揉まれよう、 強めでも弱めでも良いさ。 揉まれよう、 高くても低くても良いさ。 揉まれよう、 悪くても良くても良いから。 とにかく「もまれよう」。 「どう揉まれようかな?」なんて考えているうち、 結局揉まれずに終えるよりは、 どう揉まれても良いから、とにかく「揉まれよう」。 ↓ずっと横で、 「ピピっ、ピピっ」って設定をいじってるんですよ。 リモコンで。 もちろん、コースを選んでいる間は「揉まれない」わけで。 で、いつまで「ピピっピピっ」ってやってるのかと思いきゃ、 「ピーピーピー」という聞きなれない音で、終了(笑) 揉まれずに、終了。 「どう、快適に、揉まれてやるか」と計算し続けた人が、 結局は1秒も揉まれなかったように、 「どう生きようか!」なんて考えてたら、 結局は1秒も「生きない」まま、死んじゃうのかも。 「どう揉まれようか」と考えている間、 揉まれていない。 「どう生きようか」と考えている時間、 生きていない。 続きをみる
『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』